極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
「お兄ちゃん、明日には帰るんだよね。忙しいのにごめんね」
バージンロードを兄と一緒に歩きながら謝ると、兄は優しい笑顔でボソッと言った。
「何言ってんだ。妹の結婚式だぞ。大学の講義よりも大事だよ」
「その発言。先生失格だよ。でも、ありがとね」
心から兄に礼を言うと、祭壇の前にいる優に目を向けた。
ダークグレーのスーツに身を包んだ彼はいつもの十倍増しでカッコいい。
私を見つめるその目は温かく、愛に満ち溢れている。
祭壇の前まで行くと、兄が私を優に託した。
「梨乃を頼む」
「一生大事にするよ。お前の分もね」
優は兄に微笑むとほんの一瞬私に顔を近づけて囁くように告げた。
「綺麗だ」
さっきの『一生大事にするよ』って兄に言ってた時も涙腺が緩みそうだったけれど、今の言葉でもう我慢できず涙がスーッと頬を伝った。
今日から私は彼の奥さんになるんだ。
彼と過ごす日々はとても楽しく、もうネガティブなことを考えることはなくなった。
彼に愛されて、自分も彼を愛することを知って、結婚に不安はない。
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