極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
一瞬そう考えるも、少し怖くなってバッグを持って慌ててオフィスを出ると、誰かにドンとぶつかった。
「キャッ!」と声を上げてよろける私。
力強い手が私を支えるが、不審者かと思ってビクッとしたら、北條さんの声が耳元で聞こえた。
「藤原?そんなに急いでどうした?」
なんだ。北條さんか。
彼の顔を見てホッとする。
北條さんの隣には滝川さんがいて、少し怪訝な顔をしていた。
「藤原さん、少し顔青いけど、何かあった?」
「すみません。男性の靴音がしてちょっと怖くなって……」
顔を引きつらせながらふたりに説明すると、北條さんが私の腕を掴んだ。
「またこんな遅くまでひとりで残業するからだ……って言ってお前を責めても仕方ないな。佐藤課長にも困ったものだな。滝川、俺は彼女送っていくから報告書書いといて」
「はいはい。藤原さん、お疲れ」
ふたりの間で勝手に話が進み、北條さんに地下の駐車場に連れて行かれる。
「ほら、早く乗って」
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