リナリアの棘
月日はあっという間に経ち
卒業式の日、

"高校生になっても会おう"

と約束を交わし
別々の道を歩み始めた

もしこの時
同じ高校に通うことに決めていたら...

タラレバはいつだって
私の欲を支配する

私が唯一後悔している事

それは卒業式の日
玄人に想いを伝えなかった事

答えが何であったとしても
最後に一度だけ
君を抱き締めたかった...

そうすればいつまでの
君の温もりに触れていられるから

高校に進学して
新しい生活にも慣れてきた頃

玄人から遊びのお誘いメールが来た

その時私は何を血迷ったのか

"玄人を嫉妬させたい"

そう強く思った

玄人と遊びに行く日、
私は同じ高校で仲の良い男子も
誘っていったのだ...

冷静に考えれば
本当に愚かだ

取り返しのつかない時になって

ようやく、
気付いたんだから...

素直に想いを伝えれば良かったのに
嫉妬させようだなんて...

きっと、

全てにおいて私は

"バチが当たったんだ"
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