【短編】俺達の事情
「言わなければ、大貴が私のものになってくれるかなって思って!」


「ハア!?」


「大貴くんの事を気にいったのは事実だよ! じゃなきゃ、酔い潰れたってそのまま放って帰るもん!」


「な、何を言ってるの?」


「なんなら、保健室のベッドで卒業しちゃう? 合意なら問題ないよね!」


「問題ありありじゃああああああああ!!」


どっちにしろ、この女が危険だという事には変わりないと、俺は思った。


先生を突き放し、俺は保健室を掃除した。


「掃除してくれてありがとう! 助かっちゃった!」


「いや、別に…」


「大貴くんて掃除上手なんだね! 私たち相性がいいと思わない?」


「思いません!」


俺は椅子に座って休憩してると、目の前にケーキが置かれた。


「手伝ってくれたお礼だよ!」


「あ、ありがとう…」


「モランボンって美味しいよねー」


「へ…今なんと?」


この女も“モンブラン”って言えないのか。


「それとも、私を食べる?」


「食うわけねーだろ!」


俺はモランボンをガツガツと食った。


山本大貴、17歳。
未だ童貞らしい。




☆続く?☆
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