呪イノ少女、鬼ノ少女
風が吹けば木葉が揺れるように、九音はさも当然の如く語る。

しかも少し得意気な顔で「フフン」などと笑う。


「あ、あの意味が…」


頭の、こめかみの辺りが痛かった。

この九音という女、あまりに言動、行動が不可解過ぎる。


残念ながら、澪の足りないオツムではついて行けそうにない。


「フフ…言葉通りの意味よ」


そう言って澪を足下からじっくりと眺め、ニンマリと笑った。

目付きが捕食者のソレだ。


「だ…駄目だ、この人」


色々と危ない。

珠祭の当主というのは嘘で、本当は変態とか変質者とかそう言った類いの人間に違いない。


澪はヨロヨロとふらついて、埃まみれの戸棚に寄り掛かった。

舞い上がった埃のせいで、頭がクラクラする。


「さあ、奥に行きましょう。早くしないと、雨が降るわ」


九音のせいで遅くなっているのだが、それは口にしないでおく方が身の為だろう。

それに、と割れた磨りガラスの隙間から外を見た。

緑の木々の隙間から、青く澄み渡った空が覗いていた。


「雨なんて…」


降りそうにはない。

うっすらと雲が張っているくらいである。


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