呪イノ少女、鬼ノ少女
九曜家を飛び出した澪はぷりぷりと怒りながら、村を断つように流れる小川の側を歩いていた。


相変わらずの日差しが肌に痛い。


汗の玉が滲んで、前髪が額に張り付くが、今の澪には気にならないようだった。



澪はしばらく宛も無くさまよっていたが、やがて小川に架かる小さな橋のたもとに腰を下ろした。


ちょうど、村の終わりの場所。


この橋より先へと行けば、街へと続く山道だ。


「……ふぅ」


さらさら流れて行く透き通った川面を眺めながら、意識を揺らがせる。


昨日、まともに眠れなかったせいだろうか。


どうにも頭がくらくらする。


昨日の事件や、茜と雛子の事がごちゃまぜになって、頭の中で渦巻いていた。


「頭から煙出そ……」


元々が、あまり悩むタチではないので、余計に頭の線がショートしてしまいそうだ。


「問題は山積みだなぁ」


九曜親子、鬼、父親の過去、それに九音の体のことも気になる。


そうして並べてみて、更に頭が痛くなった。


全部纏めて、この休みの間に解決出来るのだろうか?


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