もうこれ以上、許さない
「ズルくなんかないよっ。
それは誉の優しさじゃん…
そうやって割り切った関係にする事で、あたしの気持ちを守ってくれてた。
無理やり踏み込もうとせずに、あたしの心を大事にしてくれてた。
他にもたくさん、あたしはほんとに大事にしてもらってた。
だから…
誉がこんなに大事にしてくれた事も、あたしは一生忘れない」

すると誉は瞳を滲ませて…

「月奈っ!」
再びあたしを抱き締めた。

「愛してるっ、愛してる…
どうにもならなくても愛してるっ」
そうぎゅっと、ぎゅううと抱きしめる誉が…

愛おしくて。

「ありがとうっ…」
あたしもぎゅうっと抱き返した。

「っっ、俺こそありがとう…
これからを頑張る、力になったよ(●●●●●●)
でももうちょっと、充電したいから…
もう少しだけ、こうしててい?」

「んっ…
いくらでも、いいよっ?」


そうして、さんざん身体を重ね合ってきたあたしたちは…
最後にただぎゅっと、いつまでもぎゅっと。

心から抱き合って、終わりを迎えた。





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