もうこれ以上、許さない
だけど、この男は懲りなかった。

「はい、賄賂」
次の日、カウンターにスーパーのレジ袋を差し出される。

「…なにこれ」
中を覗くと、ランチした時に選んだジャージー牛乳プリンが袋いっぱい入ってて。

「昨日はごめん!
ちゃんと反省してるし…
このお詫びの賄賂で、これからも俺と仲良くしてやってくださいっ」
そう頭を下げられる。


なんでそこまでっ…

過去のリプレイみたいな状況と合わさって、泣きそうになるのを必死にこらえた。


「…受け取れない」

「マジでっ!?
え、そんな怒ってる?」

「そうじゃなくて…
別に怒ってないし、ここまでしてもらう筋合いないから」

「怒ってないんだっ?
うわよかった〜!
俺もう嫌われたんじゃないかって、生きた心地がしなくてさぁ」

「それはさすがに大げさすぎだから」

「ほんとだって!
俺から月奈ちゃんの笑顔取ったら何が残るっ?」

「知らないよっ」
思わず笑ってしまって…
すぐに唇をぎゅっと結んだ。


「とにかく、これは持って帰って」

「ええ〜!
この量俺に1人で食えと」

「その量あたしに1人で食べさせようとしてたんだよねえ?」
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