もうこれ以上、許さない
「いーやっ?
食べ切れなかったら手伝おうと思ってたし。
月奈ちゃんを喜ばせたくて買ったのに…」
といじける風人。

ああもっ、そんなふうに言われたら突き放せないじゃん!


「わかった、じゃあ半分こね?」

「半分か〜!
じゃあ今からメシにして一緒に食おっ?」

「はあっ?
一緒に食べるのはあの日だけって言ったよねえっ?」

「チッ、覚えてたか」

舌打ちー!
ていうか、あたしが言ったんだから覚えてるに決まってるじゃんっ。

「あ〜あ…
月奈ちゃんが旨そうに食べてくれるとこ、見たかったのになぁ」

「しつこい!
も〜お、営業妨害だから長居しないでっ」

「ひどっ!
誰かいた方が入りやすいのにっ」

「いや服屋じゃないから!」


そうして、半分こしたプリンを風人に渡しながら…

「…でも、ありがとね」
一応お礼を告げると。

いじけてた風人の顔がパッと晴れる。

「よっっしゃ!これで今日も頑張れるっ。
じゃあ月奈ちゃん、また明日〜」

しまった!また明日って…

ダメだ、ぜんぜん一線引ける気がしない。
ああもっ、どうすればいいのっ?


なのに、どこか嬉しい自分がいた。



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