冷徹旦那様との懐妊事情~御曹司は最愛妻への情欲を我慢できない~
「ご、ごめんなさい余計なことを。迷惑だったよね?」
手をぎゅっと握り痛みに耐えていると、和泉の声がした。
「そんなことは言ってない」
「え?」
和泉は困ったような表情だ。
「妊娠中は疲れやすいと聞いた。遅くまで待っていないで早く休んだ方がいい」
「……うん」
(もしかして私の体を心配してくれているの?)
迷惑だからと突き放されたのではなく、彼なりの気遣いなのだろうか。
「あの……ありがとう」
「いや……早く寝ろよ」
和泉は奈月から視線を逸らし自分の部屋に向かう。ドアを開け振り返ることなく入って行った。
翌日、和泉は長期出張の疲れを見せずに奈月の妊婦検診に付き添ってくれた。以前の彼は駐車場で診察が終わるのを待っていたけれど、今回は医院内まで付き添ってくれた。
仲良く会話なんてことはないけれど、隣にいるだけで心強く感じる。
思いがけない妊娠発覚だったものの、安定期に入ってからの経過も変わらず順調だった。
ショッピングセンターで不足していたものを買い足した帰りの車内で、和泉が話しかけて来た。