冷徹旦那様との懐妊事情~御曹司は最愛妻への情欲を我慢できない~
「両親の身に起きたことを知りたい気持ちは分るよ。あなたはまだ幼かったから和倉さんは詳しい話はしなかったんだろしね」

「私は車の事故とだけ聞きました」

高梨氏は小さく頷いた。

「その通りだよ」

「……でもまだ若かった父が運転ミスなんて本当にしたんでしょうか?」

やはり叔父の意味深な言葉は虚言だったのか。

「事故当日、あなたの両親は和倉家で家族会議をしていたそうだよ。かなり揉めたようで夜遅くまでかかってしまったそうだ。疲れていたんだろうね、しかもその日は豪雨だったから相当視界が悪かったのだと思う」

「そうなんですか……ではやはり不幸な事故だったんですね」

「そうだよ。とても残念だけど。あなたのご両親はとても立派な人だったからね」

生前のふたりを思い出しているのかしんみりとした雰囲気になってしまった。

自分で言い出したのだけれど、クリスマスディナーに来ているお客様に申し訳なさを覚え話題を変えていく。

和食器の話ならスラスラと言葉が出て来る。広川堂の宣伝をしたり会話を広げながらも、頭の中では別の考えが渦巻いていた。

和気藹々とした時間は終わり和倉家以外の客は引き上げて行った。
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