冷徹旦那様との懐妊事情~御曹司は最愛妻への情欲を我慢できない~
奈月も来客用のカップの棚にあるのを見た瞬間一目惚れをしたものだ。

「ええ。私もこういうの欲しくなるわ」

高梨夫人はコーヒーを味わった後、再度カップを眺める。

「あの……高梨さんは私の祖父母と交流が会ったと聞いたんですが」

「ええ仲良くして頂いていたわ。和食器を集めるようになったのは和倉さんの影響だったわ」

高梨夫人は懐かしそうに目を細める。奈月は少しだけ身を乗り出した。

「父と母についてはご存知ですか?」

「ええ、もちろん……残念だったわね、あんなに若く亡くなってしまうなんて。奈月さんも辛かったわよね」

「はい。でも祖父母がよくしてくれましたから……あの父と母の事故なんですけど、どんな状況だったか知っていますか? 私は幼かったからあまり覚えていないんです」

奈月の問いに高梨夫人は言葉を濁した。困ったように隣の夫に目を向ける。それまで無言だった夫が口を開いた。

「奈月さんはご両親の事故について調べているのかな?」

「え? い、いえそういう訳では」

否定したけれど見透かされているような気がする。
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