冷徹旦那様との懐妊事情~御曹司は最愛妻への情欲を我慢できない~
「無理じゃなくてやり直すしかないでしょう。お腹の中の子は間違いなく和泉の子供なのだから。謝って許してくれないなら何度も謝ればいいでしょう? 距離を置いていたら解決するなんてことは絶対ないわ。奈月さんは一見和泉を気遣っているようで、実は自分が嫌な思いをするのから逃げているように見える」

亜貴の容赦ない言葉が胸に突き刺さるようだった。

(でも……亜貴さんの言う通りかもしれない)

和泉に合わす顔がない。彼に申し訳ないといつも考えていたけれど、突き放されて傷つくのを恐れる気持ちも大きかった。亜貴はそんな奈月のずるさをあっさりと見抜いていたのだ。

黙り込んだ奈月に、亜貴が口調を和らげる。

「もちろん奈月さんだけが悪いなんてことはないわ。和泉にも大きな問題がある。たとえ奈月さんが原因の酷い別れだったとしても、またこうして縁が出来たんだから、いつまでも被害者面で酷い態度をとってよい訳がない。あなた達はふたりとももう少し大人になりなさい。自分の感情よりも子供のことを考えて」

「……はい」

エコー写真を見た時に、母親になるのだからしっかりしようと決心した。だけど全然出来ていなかった。

(もっとしっかりしないと)
< 160 / 226 >

この作品をシェア

pagetop