冷徹旦那様との懐妊事情~御曹司は最愛妻への情欲を我慢できない~
「さっきの話なんだけど、私が和泉に興味を持っていないなんてことなはいよ。ただ過去の件があるから、近づいてはいけないと思ってたの。でも本当は和泉と仲良くしたいと思ってる。もちろん都合がいい話で簡単に許しては貰えないと分かってるけど……ふたりで生まれて来る赤ちゃんを迎えられたらといつも思ってる」

和泉からしたら何を勝手なと呆れる希望だろう。でもこれが奈月の本音だ。

(和泉が好き。いつもあなたのことを考えている)

心を込めて見上げると和泉は苛立たしそうに顔をしかめた。やはり迷惑だと感じているのだろう。

「お前は……好きな男が出来たから俺から離れたんじゃないのか? その相手はどうするんだ? 結果的に俺の子供だったからと言って簡単に諦められるのか? 本心では俺の子でがっかりしているんじゃないのか?」

忌々しそうに吐き出す和泉の言葉。彼がここまで感情を露わにするのは再会してから初めて見た。

(それだけ怒っているってことだよね)

奈月はズキズキと痛む棟を抑え、和泉を見つめる。
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