冷徹旦那様との懐妊事情~御曹司は最愛妻への情欲を我慢できない~
「その件は放っておいてくれ」
まだ自分の考えも纏まっていないのだから。けれど亜貴はますます不快そうに顔をしかめた。
「奈月さんのお腹の子の父親は和泉じゃないかもしれないのよ? DNA検査をしてはっきりさせるべきだわ」
まさに和泉が悩んでいるところを遠慮なく突かれ、憂鬱になった。
「検査はまだ考えていない」
「どうして? ちょっと悠長すぎるんじゃないの? もう検査可能な時期なんだし今すぐしなさい。このままでは司波家の血を引いていない子供を妊娠した女性と結婚することになるのよ、分かってるの?」
苛立った亜貴が迫って来る。
「言われなくても分かっている。口出ししないでくれ」
誰よりも気にしているのは和泉自身だ。しかしそれで退くような姉ではなかった。
「するわ。これはあなただけの問題じゃないの。司波家の問題よ。いいわ、私が奈月さんに話します。疚しいことがないなら断らないはずよね? 彼女は和泉以外とは付き合っていないのよね?」
「それは……」
「なに? はっきり答えて」
「別れた後の行動は把握していない」
和泉の答えに亜貴は呆れたような目をした。
「ならば本人に聞けばいいでしょう? それでも裏付ける為に検査は必要だけど」