冷徹旦那様との懐妊事情~御曹司は最愛妻への情欲を我慢できない~
そんな中、ふたりで外出の機会が訪れた。
出産準備の為の買い物だが、奈月と外出するのは再会して以来初めてだ。関係を改善するきっかけになればと意気込んで出かけたが現実はなかなか上手く行かない。
しかも仕事で海外出張が入り、強制的に物理的な距離を置くことになった。
ロンドンの高層ホテルの広々したリビングルーム。
長い商談を終え最終のデータ確認をしていた和泉は、思い出したように溜息を吐いた。
「はあ……」
「何その溜息?」
同行している同僚兼友人の五十嵐晋夜が、怪訝な眼差しを和泉に向けた。
「何でもない」
「和倉奈月の件でまだうじうじしているわけ?」
「……何でもないって言っただろ」
和泉は素っ気なく答えたが図星だった。
(出張中一度も連絡がないって有り得なくないか?)
奈月にはロンドンに長期出張すること、何か有れば直ぐに連絡を取れるようにしてある旨を伝えてある。
要は遠慮なく連絡して来いという意味だ。
それなのに一カ月近く経過しても一切の便りがない。
検診の結果とか体調についてなど、普通なら何か有るはずなのに一切ないのだ。
不満だが一番腹立たしいのは毎日連絡を待ってしまう自分自身だ。
出産準備の為の買い物だが、奈月と外出するのは再会して以来初めてだ。関係を改善するきっかけになればと意気込んで出かけたが現実はなかなか上手く行かない。
しかも仕事で海外出張が入り、強制的に物理的な距離を置くことになった。
ロンドンの高層ホテルの広々したリビングルーム。
長い商談を終え最終のデータ確認をしていた和泉は、思い出したように溜息を吐いた。
「はあ……」
「何その溜息?」
同行している同僚兼友人の五十嵐晋夜が、怪訝な眼差しを和泉に向けた。
「何でもない」
「和倉奈月の件でまだうじうじしているわけ?」
「……何でもないって言っただろ」
和泉は素っ気なく答えたが図星だった。
(出張中一度も連絡がないって有り得なくないか?)
奈月にはロンドンに長期出張すること、何か有れば直ぐに連絡を取れるようにしてある旨を伝えてある。
要は遠慮なく連絡して来いという意味だ。
それなのに一カ月近く経過しても一切の便りがない。
検診の結果とか体調についてなど、普通なら何か有るはずなのに一切ないのだ。
不満だが一番腹立たしいのは毎日連絡を待ってしまう自分自身だ。