冷徹旦那様との懐妊事情~御曹司は最愛妻への情欲を我慢できない~
着信を確認しては落胆するを何度繰り返したことか。

うんざりした気持ちで来ているはずもないメッセージをチェックした。

その瞬間、和泉は目を見開いた。奈月から着信が入っていたのだ。

【今週の金曜日検診です。時間は午前十一時です】

用件だけの短いものだったが、和泉は浮き立つ気持ちを抑えられなかった。

直ぐに返信文を作成する。

【分かってる。明日の夜に帰る予定だ】

忘れる訳がない。しっかり記憶に留めていたしその為に仕事のスケジュールも組んでいる。

本当はもっと伝えたいことがあるが、今の関係を思うと余計な内容を加えるのは躊躇われる。

じっと画面をみつめていたが、奈月からの返信は来なかった。

彼女は頻繁にスマートフォンに障るタイプではないので、和泉からの返信に気付くまでに時間がかかるだろう。

仕方なくノートパソコンに目を向け確認の続きをする。晋也が物言いたげな視線を送って来ているのに気付いたが、あれこれ探られるのも面倒なのであえて気付かないふりをする。

しばらくすると奈月からの返信が入った。

【ありがとうございます、待っています】
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