冷徹旦那様との懐妊事情~御曹司は最愛妻への情欲を我慢できない~
あなたを幸せにしたい。上手く声に出来なくても彼は分かってくれたようで、想いが籠ったキスが降りて来る。

触れ合う体は温かく、お互いの鼓動が混じり怖い程の一体感があった。

どうやってホテルの部屋に戻ったのかあまり覚えていない。

気付けば広いベッドで彼と抱き合っていた。

「あっ……和泉……」

奈月の中に入った和泉は、じれったくなる程ゆっくりと動き奈月の反応を伺っている。

もう触れていないところは無いと言える程執拗に唇を這わせ、奈月の体を熱くさせた。

蓄積していく感覚に、奈月は堪らなくなり和泉の体に縋りついた。

「ああ! 和泉、私もう……」

この濃密で息も出来ないようなもどかしさから解放して欲しいと声を上げれば、彼は答えるように律動を早める。

「奈月、愛してる」

「やっ……ああっ」

和泉の情熱に翻弄されて気が遠くなりそうだった。

だけどもっと抱いて欲しいとも思う。彼と抱き合っている今この瞬間の幸福が永遠に続けばいい。

(……私、もう何もいらない……)

こうして彼と繋がっていられるなら。

その夜、恋人たちは延々と甘いときを過ごしていた。

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