冷徹旦那様との懐妊事情~御曹司は最愛妻への情欲を我慢できない~
和泉の情熱が伝わって来るような深く激しいキスに、奈月は夢中になった。

そして叔父家族が海外旅行に出た夏休みには、ふたりで一泊旅行に出かけ、その夜に初めて体を重ねた。

和泉はそういった行為が初めての奈月をそれは大切に抱き、触れ合う喜びを教えてくれた。

深い関係に進むごとに彼への気持ちが増して行く。

もうひとときも離れていたくない。いつだって彼を感じていたい。それは和泉も同じ気持ちのようで、だんだんと別れのときに名残惜しそうな態度をするようになっていった。


時は流れ、ふたりで過ごす二度目の夏休みに、旅行先の満天の星の下で、和泉は奈月にプロポーズをした。

「奈月、俺と結婚して欲しい」

和泉は奈月の想いを信じているのだろう。優しく穏やかな目で奈月を見下ろし答えを待っていた。

もちろん答えはイエスだ。けれど「はい」と口にした瞬間、涙がポロリと零れ止まらなくなってしまった。

もっと喜びと感謝を伝えたかったのに。

「うっ……」

感極まり泣く奈月を和泉は優しく抱き寄せ、涙を拭う。

「ありがとう。必ず幸せにする」

「わ、私も……」
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