冷徹旦那様との懐妊事情~御曹司は最愛妻への情欲を我慢できない~
和泉からプロポーズをされてから一週間。怖い程の幸福感に奈月は舞い上がっていた。何をして居ても楽しくて仕事も上手くいく。

閉店後の従業員用控室で着替えをしていると、深雪に話しかけられた。

「奈月の今日の売上すごかったね」

ベテランの深雪が褒める程、最近の奈月の成績は上がっていた。

「はい。常連の志藤さんがいらっしゃったんですけど、今日は今まで価格が折り合わずに購入を悩まれていた染付の大皿を買って頂いて」

染付の大皿は有名作家の一点もので広川堂の商品の中でもかなり高額な部類だ。

「あーあれはは簡単には手が出ないよね。ニコニコしている奈月を見てたら気分が上がって勢いがついたのかな」

深雪はそういうと、悪戯っぽくニヤリと笑った。

「幸せって滲み出るものなのねー」

「え、そんなことは……」

「隠しても駄目。和泉さんにプロポーズされたんでしょう? 最近お店を出る前に指輪をするの知ってるのよ。エンゲージリングなんでしょう?」

「うっ……」

仕事中も家でも付けられないからせめてその他の時間は身に付けていたのだけれど、知られていたとは。
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