冷徹旦那様との懐妊事情~御曹司は最愛妻への情欲を我慢できない~
「傷つくって? 和泉に何かする気なんですか? でも彼は愛理の結婚相手として考えているって……」

「愛理を選ばないのなら価値はないだろ?」

叔父に躊躇いはないように見えた。どこまでも冷酷な目は彼の本気をうかがわせる。

けれど和泉が黙って叔父の好きにされるわけがない。家の力だって司波家の方が上なのだから、卑怯な手を遣って陥れるなんて不可能だ。

(どんな嫌がらせをする気なのか分からないけど、和泉は大丈夫)

そんな考えを見透かされたのか、叔父は嫌らしく笑った。

「奈月、捨て身になった人間はなんでもやるんだ。それにどんな強い人間だって永遠に気を張っているなんて不可能だ。優秀だと評判だったお前の両親も最後はあっさり亡くなったじゃないか」

「……お父さんたちは事故で亡くなったんです。今の話とは関係が……」

ないと言おうとした瞬間、ぞくりと背筋が冷たくなった。

(もしかして叔父様はお父さんたちに酷いことをしていたの?)

突然の事故に叔父が関係していたのだとしたら?
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