サンタクロースに恋をした
 こんなことを姉さんに相談するのは正直顔から火が出るほど恥ずかしいけど、自分1人じゃ解決できそうにもなく、こうして話をしている。 

「それって、嫉妬かしらね」 

 姉さんは、ふふふっと笑う。嫉妬……? 僕が?

 人に執着しない僕が、彼女に対してだけは心を動かされる。それは多分、彼女が心から僕を受け入れてくれているという安心感があるからだ。

「でも……その彼、本気で好きそうだったよ。そんな人がいつも側にいたらさ……」
「渉がいろいろ考えても意味ないわよ? だって大切なのは那美ちゃんの気持ちなんだから。那美ちゃんに好きになって欲しいなら、渉が頑張らないと。その彼に負けないように」

 だいたい、僕は彼女のことを好きなんだろうか、まだ気持ちがはっきりとしない。

 ただ、とにかく彼女が僕のことを優しいと言ってくれて、僕はその言葉に心が温かくなり、でも彼の存在で余裕がなくなる。

 ……これを、恋と言うのだろうか?

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