【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています
「それが、特にないんです。でもいっちゃんはなぜか根拠のない自信に満ちていて、きっとうまくいくと……」

私は眉を下げた。元来いっちゃんはとても前向きな性格だけれど、改めて思うと本当に無謀だ。

「根拠のない自信! さすが犀川家の令息だな」

おじいちゃんは声を上げて笑った。

私はいたたまれなくなる。

「いやいや、悪い意味ではないぞ。逆境に屈せず自信を持ち続けられるのは素晴らしい」

「そうでしょうか……」

「ああ。樹くんを信じなさい。――それに、わしも微力ながらふたりのために力を尽くそう」

おじいちゃんは私に泰然とした笑みを向けた。

「力を……?」

「すぐにわかる」

私は戸惑いを隠しきれなかった。すぐにわかるとはどういう意味なのだろう。

おじいちゃんが帰ると、私は泉が入院した日のことを思い出していた。

そういえばあのときもいっちゃんが「大丈夫」と励ましてくれれば泉は大事に至らなかった。

だから今回もいっちゃんが「大丈夫だ。きっとうまくいく」と言ってくれたから、必ず順調にいく。奥さまは私たちの結婚を認めてくれるはずだ。

私は、いっちゃんを信じる。


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