【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています
「もう五十年も前のことだ。わしは今の樹くんと同様に、とある女性と大恋愛をして、彼女と結婚したいと両親に願い出た。だが身分の差があって猛反対され、わしは家のために彼女を諦めざるを得なかった。彼女はその後、ほかの男と見合い婚をしたと風の便りで聞いたが、わしはどうしても彼女以外との結婚に踏み切れなくて、結局未だにひとり身を貫いておる」
私はおじいちゃんの話にじっと耳を傾けた。おじいちゃんにお嫁さんがいないとは聞いていたけれど、まさかそんな理由だったなんて知らなかった。
「このままでは樹くんも、わしと同じ運命をたどるだろう。莉帆ちゃんと結婚できなれば、一生独身だ。奥さま、男っちゅうもんは不器用で頑固な生き物なんですよ」
おじいちゃんに悲哀を含んだ笑みを向けられ、奥さまは返す言葉に詰まった。実例を聞き、先ほどいっちゃんが奥さまに宣言したことに現実味が帯びてきたのだろう。
「わしと違うのは、樹くんには泉くんというかわいい天使がおる。子どもは何があっても守ってやらねばならん。だがもちろん樹くんは両親を苦しめたいわけではないだろう。そこで先刻の話だ、莉帆ちゃんがわしの養女になれば、わしは自分が叶えられなかった思いをふたりに託すことができる。犀川家にとっても、盛宮家とつながることは利を生むだろう。何よりも樹くんと莉帆ちゃん、泉くんがみなに祝福され、家族になれる」
私たちにとってまるで夢のような申し出だった。
私はおじいちゃんの話にじっと耳を傾けた。おじいちゃんにお嫁さんがいないとは聞いていたけれど、まさかそんな理由だったなんて知らなかった。
「このままでは樹くんも、わしと同じ運命をたどるだろう。莉帆ちゃんと結婚できなれば、一生独身だ。奥さま、男っちゅうもんは不器用で頑固な生き物なんですよ」
おじいちゃんに悲哀を含んだ笑みを向けられ、奥さまは返す言葉に詰まった。実例を聞き、先ほどいっちゃんが奥さまに宣言したことに現実味が帯びてきたのだろう。
「わしと違うのは、樹くんには泉くんというかわいい天使がおる。子どもは何があっても守ってやらねばならん。だがもちろん樹くんは両親を苦しめたいわけではないだろう。そこで先刻の話だ、莉帆ちゃんがわしの養女になれば、わしは自分が叶えられなかった思いをふたりに託すことができる。犀川家にとっても、盛宮家とつながることは利を生むだろう。何よりも樹くんと莉帆ちゃん、泉くんがみなに祝福され、家族になれる」
私たちにとってまるで夢のような申し出だった。