【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています
「んっ……」

めまいのするようなキスが幾度となく降ってきた。肩も、指先も、唇も、喜びで震えが止まらなくなる。

本当はずっといっちゃんにこうしてほしかった。

誰かと間違えている今だけでいい。夢を見たい。あの、赤い着物のきれいな女性になりたい。本音が溢れ出してくる。

春になれば、私はもう今までのようにいっちゃんのそばにいられなくなる。

そうしていっちゃんは近いうち、誰かと結婚するだろう。

こんなチャンスは二度となかった。

子どもの頃、お屋敷に遊びに来たいっちゃんの友だちが、私を「使用人の孫」と呼ぶたびに、「幼なじみだよ」とさりげなく、でも強く否定してくれたこと――いっちゃんの部屋で遊んでいるとき、私が祖母の真似をして、「おかえりなさいませ、だんなさま」と言ったとき「それ、家政婦じゃなくて、俺のお嫁さんだな」と微笑んでくれたこと――いっちゃんはもう忘れているだろうけど、私には全部宝物だよ。

「あっ……」

いっちゃんの手が私の衣服を剥ぎ取り、下着の内側に忍び込んできた。

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