【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています
週明けの月曜日、私はいつもより少しだけ早めに出勤し、バックヤードにいた上司の矢野さんに動物園のお土産を手渡した。
「これ、みなさんで食べてください」
個包装になった動物の形のクッキーだった。ありきたりだけれど、その分誰にでも受け入れてもらえやすいと思ってこれを選んだのだ。
「ありがとう。息子さんと動物園に行ってきたんだ? あの動物園って今も混んでるの? うちは子どもがもう大きいから、俺はもう十年以上行ってないんだよね」
上司にいろいろ訊かれていると、そこに同じ客室清掃員の先輩女性である郷田さんがやってきた。
彼女は私より一回り年上で、この仕事を始めてもうすぐ一年になるらしい。
「あ、郷田さん。白上さんが動物園のお土産をくれたんだ。一枚どう?」
けれど上司が箱を差し出すと、郷田さんはそれを一瞥するだけで、すぐに私にきつい視線を向ける。
「けっこうです。っていうか白上さん、土日祝が一番忙しい仕事なのに、いつまでカレンダー通りのシフトを続ける気? こっちが大変なときに能天気にでかけてお土産持ってくるなんて、すっごい根性ね」
憤りを剥き出しでぶつけられて、私はその場に凍りついた。
「これ、みなさんで食べてください」
個包装になった動物の形のクッキーだった。ありきたりだけれど、その分誰にでも受け入れてもらえやすいと思ってこれを選んだのだ。
「ありがとう。息子さんと動物園に行ってきたんだ? あの動物園って今も混んでるの? うちは子どもがもう大きいから、俺はもう十年以上行ってないんだよね」
上司にいろいろ訊かれていると、そこに同じ客室清掃員の先輩女性である郷田さんがやってきた。
彼女は私より一回り年上で、この仕事を始めてもうすぐ一年になるらしい。
「あ、郷田さん。白上さんが動物園のお土産をくれたんだ。一枚どう?」
けれど上司が箱を差し出すと、郷田さんはそれを一瞥するだけで、すぐに私にきつい視線を向ける。
「けっこうです。っていうか白上さん、土日祝が一番忙しい仕事なのに、いつまでカレンダー通りのシフトを続ける気? こっちが大変なときに能天気にでかけてお土産持ってくるなんて、すっごい根性ね」
憤りを剥き出しでぶつけられて、私はその場に凍りついた。