【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています

「ねえいっちゃん、そういえば私と会っていることを旦那さまや奥さまに話してるの？」

私はなにげなくいっちゃんに尋ねた。

こっそり連絡を取り合っている旦那さまはともかく、もし奥さまが知っているのなら、このまま黙っていっちゃんと会い続けるのは不義理すぎる。きちんと奥さまにも挨拶をするべきだった。

「いや、話してない」

けれどいっちゃんはすっと視線を逸らしてしまった。

「……どうして？」

「別に理由はないよ。誰と会ってるかなんて、逐一親に報告する必要ないだろ」

「それはそうだけど、私たちは家族ぐるみの付き合いだったし」

「莉帆は俺の両親に会いたいのか？　泉くんのことやその父親のこと、絶対問い詰められるぞ。それでもいいなら話すけど」

「……」

私はつい押し黙ってしまった。

「……な、だからわざわざ言わなくていいんだよ」

いっちゃんはそう、話をまとめてしまう。奥さまに秘密にしていることが、私には少し罪悪感があった。けれど積極的に会いに行けるほどの勇気もない。