【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています
「泉くん、いっちゃん、って言ってみな?」

「ん!」

「ん、じゃない。いっちゃんだよ。いっちゃんって言いにくいのかな」

いっちゃんは泉に話しかけながら、何やら思案しているようだ。

「そうだ、パパだったら発声しやすいか? 泉くん、パパって呼んでみな。パパだよ」

「え……?」

私は途端、頭の中が真っ白になった。

いっちゃん今、なんて言ったの?

「パーパ」

「パパ?」

いっちゃんに続いて、泉のあどけない声がした。

「お、言えるじゃないか。そうだ、パパだよ」

いっちゃんは自ら泉のパパを名乗り、泉に向かって両手を広げる。

「パパ! パパ!」

泉は無邪気に繰り返し、いっちゃんの胸に飛び込んだ。

「やめて!」

私はとっさに悲鳴のような叫び声を上げていた。

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