【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています
「……ごめん、莉帆の気持ちも考えず、軽率だった」

いっちゃんはすぐに私に謝った。けれど今はもういっちゃんの顔を見たくない。

「……帰って」

「莉帆」

「お願い、泉とふたりきりにして」

私は涙声でいっちゃんに訴えた。泉はわんわん泣いていて、手がつけられない状況だ。これ以上いっちゃんに激情をぶつけたくはない。

「ごめん」

いっちゃんはもう一度詫びると部屋を出ていった。

玄関のドアが閉まり、泉とふたりきりになると、私は涙を堪え切れなくなる。

本当に勝手なのは私のほうだ。自分がいっちゃんのそばにいたくてこんな関係を続けているのに、都合が悪くなるといっちゃんのせいにする。

いっちゃんが軽い気持ちでパパを名乗ったって、それくらい笑って流すべきだった。何も知らないいっちゃんに、私は求めすぎている。

自責の念に押し潰されそうだった。


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