【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています
何かあったんじゃないかと心配し、急いで病院に向かってくれるくらい大切に思われているだけで、私は幸せだった。

「莉帆ちゃんは優しすぎるね」

目を細める旦那さまに、私はかぶりを振る。優しすぎるのは旦那さまのほうだ。

旦那さまは眠ったままの泉の頭を撫で、「早くよくなるんだぞ」と声をかける。その仕草は、朝のいっちゃんとそっくりだった。

退院したらまた泉くんに会いに来るね、と言い残し、旦那さまは三十分ほどで帰っていった。

そうしてまた夜になるといっちゃんが、仕事終わりに様子を見にきてくれる。治療が順調にいっているのを知ると、安堵の表情を浮かべた。

「いっちゃん、今日はもう早めに帰って寝てね」

私はここに泊まるけれど、いっちゃんはこれからお屋敷に帰らなければいけない。寝不足で体調を崩さないように、少しでも早く休んでほしかった。

「ああ、明日も来るよ」

私の思いを汲み取ってくれたのか、いっちゃんはすんなり病室をあとにした。けれど泉が入院している間、毎晩のようにお見舞いに来てくれた。私はいっちゃんの顔を見るたびに、心が落ち着くのを感じていた。


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