崖っぷち令嬢が男装したら、騎士団長に溺愛されました
 言われた処分内容は、予想通りのものだった。
 それなのに、思った以上にショックを受けている自分がいた。

 自らがまいた種とはいえ、アイリスは言いようのない寂寥感(せきりょうかん)を覚えた。

「……承知致しました」

 なんとか気丈さを保ち、頭を垂れる。
 そして、ディーンへ情状(じょうじょう)酌量(しゃくりょう)を願い出ようとしたとき、先に口を開いたのはレオナルドだった。

「ワイバーンの世話はどうだ?」
「ワイバーンですか? 思ったよりも可愛らしく、やりがいがありました」

 アイリスは思ったままを素直に告げる。
 そうか、とレオナルドは満足げに頷いた。

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