QUALIA ー最強総長×家出少女ー
将冴さんは少し暗い顔をした。

「すいません。言いたくなかったら、全然…」

「いや、ルナや篤史や颯太と比べたら、そんな重い理由じゃねぇよ」

将冴さんは「ははっ」と笑う。

「前に妹がいるって言ったろ? そいつら双子でさ。俺、そいつらのために金が欲しくて。まぁ、色んなヤバイことしてたらへましてさ。そんでルナに助けられたんだ」

にこにこ話す割りには、けっこう辛そうな話だ。

「ほら、これが俺の!」

スマホの写真を見せてくれた。ロングヘアで、お人形みたいに可愛い顔をしたそっくりな双子だ。

年は私と同じくらい?

「俺と似てないだろ?」
「うん、たしかに…」

やばっ、思わず本音が!

「はは、だよな。血が繋がってねぇし」

「え?」
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