QUALIA ー最強総長×家出少女ー
「さてルナ。取引をしよう」
「取引?」
「美月琴葉を差し出せば、抗争は終わりにしてやる」

梟夜はコーラをストローで飲む。

「そんな女はここにはいない…」
「嘘だな。裏は取れてる」
「なんだと?」

梟夜はペコを見渡すと、最高幹部達の顔を見た。

「分からないのか? 取引は最大限の譲歩だ。お前らはすでに詰んでいるんだ」

GLEAMの隊員達が最高幹部のみんなを囲う。おおよそ20人はいる。

怖くて、震えが止まらない。

将冴さんは私を安心させるように手を握った。

「GLEAMの幹部か。羊を何匹集めようが、6匹の狼には勝てないな」

ルナの目に殺気が宿る。

「どうかな?」

梟夜はまだ余裕そうに見える。

「例えばそこの、赤鬼将冴君」

梟夜は将冴さんを指差す。
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