QUALIA ー最強総長×家出少女ー
☆☆☆

虫の知らせなんて嘘だ。

本当に悲劇が起きるときは、いつだって前触れもなく訪れる。

「え…」

私の目は、スマホの画面に釘付けになった。

ワルシャワ市内を巡回するバスに乗り、私は大学を目指していた。乗客は満員で、手すりにつかまっていると、揺れた拍子に隣と肩がぶつかり合う。

バスが停車し、乗客が出口へと向かう。思わず落としたスマホは、出口へと急ぐ乗客の誰かに踏み潰された。

「ルナ…」

ひび割れたスマホに映し出される、日本のニュース。私はその記事に、彼の名前を見つけたのだった。
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