QUALIA ー最強総長×家出少女ー

阿里沙は美桜の腕をつかむ。そのとき、美桜は急に真剣な顔で私を見た。

「琴葉(ことは)さ」

美月琴葉(みつきことは)。それが私の名前。

「“赤い眼の男”って言葉、今後は口にしない方がいいよ」

美桜の言葉に、いつも冷静な芽郁が「ちょっと美桜」と声を震わせた。

「だって知らないのはヤバイし」
「そうだけどさ…」

三人とまともに話したのは、実は今日が初めてだった。不良の世界に縁がない私より、三人はこの町の事情に詳しいらしい。

「AXISのことくらい知ってるよね? No.1だってこととか」と美桜。私はうなずく。

「全国に支部があって、本部がこの町にあるんでしょ? 総長や最高幹部も、この町にいるって、きいたことがある」

このくらい町の住人なら、小学生でも知っている。

「そ。AXISは全国No.1の暴走族。で、その最強の組織を束ねる総長の眼、何色だと思う?」
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