孤独のその先に
ポケットからハンカチを取り出して渡す。


「っすまねぇ。琉樹に謝りてぇ…こんなクソみたいなことして」


『…琉樹兄はもう居ないんです』


え?とでも言いたそうな表情を浮かべる。


『1年前に亡くなったんです。交通事故で』


「うそ、だろ」


私だって嘘って信じたかった。


けどやっぱり現実を受け止めるしか方法はない。


『お兄ちゃんに謝りたいなら、その分ちゃんと更生してください』
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