王子なドクターに恋をしたら
「ごめんなさいね千雪さん。和泉さんと会えなくて寂しかったでしょう?和泉さんを引きとめてたのは私のせいなんです」

「え?どういうことですか?」

いきなり、和泉くんがあたしに逢いに来なかった理由について話し出す叶さんにあたしの心臓はドキドキと大きく跳ねだした。

「実は、今流星さんが出張でいなくて…」

「それは、僕から説明させて」

叶さんの話を和泉くんが止めて、あたしに向き直ると和泉くんが説明してくれた。

「電話でも話したと思うけど、今、兄さんが手掛けているリゾート島の開発が大詰めで長期出張中なんだ。叶ちゃんは今臨月でいつ生まれるかわからないから兄さんの代わりに僕が傍に居て何かあればすぐ対処するようにと兄さんの命令で斗浦部に行けなくなったんだ」

「え?そんな話してた?」

「え?この間電話で話しただろ?」

「あ…」そう言えばなんかそんな話されたかも。でも、こっちに来れないって言うのがショックで話殆ど聞いてなかった気がする。
へへっと誤魔化し笑いをすると和泉くんははあっとため息をついた。

「和泉さん、命令だなんて、あれはお願いだと思うんですけど」

「あれは命令だよ、兄さんに凄まれたら嫌とは言えないからね」

「ごめんなさい…」

意外に怒ってる様子の和泉くんに叶さんはしゅんとしてる。

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