王子なドクターに恋をしたら
「ヘリ?」

あたしが疑問に思ってると和泉くんが教えてくれた。

「会社で所有してるヘリがあって梶原さんはパイロットでもあるんだ」

「すごい…」

ヘリを所有してるなんてさすがは大企業。
じゃあさっきビルの上を飛んでいたヘリはお兄さんが乗っていたんだ。
へえ、あたしも乗ってみたいな、と呟いた。
ヘリコプターなんてあたしには縁の無い乗り物だけど乗ったら面白そうだと思いを馳せる。

「まったく、兄弟揃って私を酷使する。流星さんも叶さんが産気付いたと聞いてからフル回転で仕事を終わらせる為に私は走り回された挙句リゾート島からここまでヘリを飛ばせと言うんだから」

クスクス笑う梶原さんは責めてるというよりからかってるよう。
和泉くんは顔を引きつらせて苦笑いしか出てこない。
いったい何の話をしているの?と、聞こうとした時、微かに泣き声が聞こえた。

「いっ、今っ!」

みんな気付いたのかシンと静まり返り固唾を飲んだ。

…おぎゃあおぎゃあ…

「う…生まれた?」

呟いたあたしに聡子さんが振り向き満面の笑顔で返してくれた。

「生まれたみたいね!」

その時、分娩室の扉の上がパッと光った。
そこには待ってる人たちにどちらが生まれたか知らせるパネルがある。

「BOY…」

「男だ!弟が生まれたぞ來翔!今日からお前はお兄ちゃんだぞ!」

お父さんは笑顔で來翔くんを撫でまわす。
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