王子なドクターに恋をしたら
「いよいよね!」

お父さんと一緒に來翔くんをあやしていた聡子さんが分娩室のドアを期待を込めて見つめた。

「流星さん間に合いましたか?」

「あ、梶原さん。兄さんは今ちょうど分娩室に入りました」

後ろからまた男性が現れて和泉くんが答えた。
梶原さんという人も眼鏡がインテリぽくて秀麗な男性で、お兄さんの秘書の方だと和泉くんに紹介された。

「僕の彼女の千雪です」

「はじめまして…」

この人も鋭い視線をあたしに向けるのかとビクビクしたけど、梶原さんはいたってにこやかに挨拶してくれた。

「あなたが和泉さんの…お会いしてみたかったので会えて嬉しいですよ」

優しい笑顔にホッとした。けど、やけにニヤニヤと見られてるみたいで居心地悪くなる。

「可愛らしい方だ。あれだけ必死に逢いたくなるのもわかりますよ和泉さん」

と、視線を和泉くんに向けて意味深なことを言う。

「いやっまあ、はい…」

急に慌て出した和泉くんは照れてるようで首の後ろをかいていた。
その後ろからお父さんが話しかけてきた。

「梶原ご苦労。仕事は終わらせて来たのか?」

「はい、連絡が来てから急を要するものだけ特急で終わらせてきました。残りは落ち着いた頃にでもできます。いやあ、ヘリで飛ばしても間に合うかの瀬戸際でした。間に合わなかったら一生流星さんに愚痴をこぼされるところでした」

はははっと笑う梶原さんにお父さんもつられて笑ってる。

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