王子なドクターに恋をしたら
「この後、ちょっとしたサプライズがあるんだ」

「え?なに?」

「内緒。そろそろ行こうか」

食事を終えてあたしたちはレストランを出た。
エレベーターの前で上のボタンを押す和泉くんにあたしは小首をかしげる。
得意げな顔をする和泉くんはこの後どこに行くのか何も教えてくれない。
エレベーターが開くと数人の乗客が降りてきた。
路を開けるために端に寄ると和泉くんが声を掛けられた。

「あ、高槻、こんな所で会うとは奇遇だな」

「伊藤先生、みなさんお食事ですか?」

立ち止まった二人の男性と一人の女性。

「もしかしてデートか?」
「この子か噂になってた彼女?」

いきなり不躾にじろじろ見られてあたしは和泉くんの腕にしがみ付いた。
和泉くんはあたしを庇うように二人を睨む。

「そうですよ。あんまりジロジロ見ないでください。彼女が怖がってるでしょう」

「いいだろ減るもんでもないし」
「あの黒崎先生が度胸ある女だって言ってたから興味あったんだ」

「減るんですよ。興味持たないでください。僕の大事な彼女なんですから」

やいやい言い合う和泉くん達にはらはらしながら窺ってると後ろに控えてた女性と目が合ったけどすぐに目を逸らされた。
すらっとしたボブカットの綺麗な女性。
どっかで見たことあると思ったら病院ですれ違った女医さんみたいだ。

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