王子なドクターに恋をしたら
「美味いだろ?鮭はこの町自慢の特産品だからな!」

それに、カニにホタテにカキにウニもな!とおじさんは豪快に笑う。
「どれも好きですよ、僕にとったらここは天国ですね」と和泉くんはまた嬉しそうに笑う。
それからも、次々おじさんは料理を出してくれて、その合間にこの町の事をいろいろ話して楽しい時間はあっという間に過ぎて行った。

「ああ、もうおなか一杯」

食べきれないくらい料理が出されて、残りは持って行きなと二つ分パックに詰めてくれた。
和泉くんは叔父の家に泊まってるからお土産に持ってったら喜ばれそうだとホクホク顔。

「院長先生もたまに来てくれるんだ。よろしく言っといてくれ。先生も、また来てくれよな」

「はい、また近いうちにお伺いします」

「千雪ちゃんと一緒にな?」

「っ!お、おじさん!」

思わせぶりな視線をあたし達に向けておじさんは店先まで見送ってくれた。
なんだか恥ずかしくって和泉くんと目が合わせられない。
でも、今日のお代は全部和泉くんが払ってくれて、お礼を言わなくてはと俯いたまま和泉くんに話しかけた。

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