王子なドクターに恋をしたら
あたしの事疑ってたの!?ヒドい!もう信じらんない!
意地悪な言い方にあたしは頭に血が昇ってポカポカと和泉くんの胸を叩いた。

「バカバカ!!そんなことするわけないじゃない!それを言ったら和泉くんはどうなのよ!」

「ふっ、ごめんごめん嘘だよ」

暴れるあたしの手首を容易に掴んで、和泉くんは優しくブルーの瞳を細めた。

「今日はちゆの誕生日でしょ。どうしても直接お祝いしたくてサプライズで帰ってきたんだ」

「和泉くん…」

「やっと、一年越しにちゆの誕生日を祝えるよ」

逢えなかった去年の誕生日。
今年も逢えないと思ってたからぎゅっと抱きしめられてやっと嬉しさが込み上げる。
あたしの誕生日に帰って来てくれた。
ビックリしたけどそれだけであたしは幸せだ。

「ありがとう和泉くん。帰って来てくれて嬉しい」

「千雪…」

頬を優しく撫でられて視線を上げると淡いブルーの瞳にはあたしが映っていた。
何とも言えない自分の表情に見てられなくて瞳を閉じると優しいキスが降りてきた。
甘くて痺れる媚薬のような唇に酔いしれる。
お互いの温もりを確かめ合うようにあたしたちは何度もキスをした。
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