王子なドクターに恋をしたら
「でも僕は気が気じゃなくて、この恋を逃したくないって思ったんだ。だから千雪、遠距離になってしまうけど…必ず会いに来るから、僕と、これからは恋人同士として付き合ってくれないか?」

「い、いいの?あたしなんかで。あたし何のとりえもない田舎娘なのに」

「何言ってんの?千雪は可愛くて優しくて僕にはもったいないくらい魅力的な女性だよ。僕の方こそいいの?付き合ったばかりで離れ離れになって寂しい思いをさせてしまう酷い男なのに」

「そんなことない!和泉くんの方があたしにはもったいない人だよ。お医者様でかっこよくて立派な人なのに、東京には和泉くんに相応しい人がいっぱいいるでしょ?ほんとにあたしでいいの?それに、和泉くんは凄いとこの御曹司って聞いたよ。こんな田舎娘とじゃ釣り合い取れないでしょ?」

「え?なんでそれを…」

「あ…友達に聞いて…」

こんなこと言うんじゃなかった。驚く和泉くんにばつが悪くて俯いた。
すると頭を抱えるように抱きしめられた。

「家の事は…そんなの関係なく見てもらいたかったから言わなかった。実家が何であろうと僕は僕だ。だから気にしないで僕だけを見て欲しい。さっきも言った通り千雪は素敵な女性だよ、釣り合い取れないだなんてそんな事絶対言っちゃだめだ」

「う、うん」

ちょっと、怒った声色で話す和泉くんにあたしは頷くしかできなかった。
でも、あたしの事を想って言ってくれるんだと思うとじわじわと嬉しさが込み上げる。
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