王子なドクターに恋をしたら
「千雪…」

頬に手を当てられ上を向かされた。
真剣な和泉くんの瞳。

「好きだよ。僕の恋人になって?」

「はい…あたしも、和泉くんが好き。恋人にしてください」

暗がりでもわかるくらい、ふわっと花が咲くように和泉くんが笑顔になった。
それにつられてあたしも笑顔になる。
何だろうこれ、嬉しすぎてまるで夢の中にいるよう。
ふわふわと浮かれていたら、ゆっくりと和泉くんの唇が迫ってきた。

キッ…キスされる!
と思って、ぎゅっと目を瞑ったらおでこにふわっと柔らかい感触。
思わずおでこを押えて和泉くんを見たらニッとイジワルそうな不敵な笑い。

なっ!フェイント~!?

ふふっと笑った和泉くんは楽しそうだ。
「期待してた?」なんてからかわれてムッとした。でもちょっとがっかり。
ちらっと上目使いで見上げると和泉くんは目を見開いてそしてその瞳が甘くなる。

おでこ同士がぶつかって間近に見えるブルーの瞳を覗き込んだ。
和泉くんの瞳は星のように煌めいてあたしはこの瞳が好きだ。
そして、ゆっくり瞳は閉じられ、あたしもつられて瞳を閉じた。

ふわっと唇が触れる。
それだけであたしの全身が炎のように熱を持った。

< 45 / 317 >

この作品をシェア

pagetop