王子なドクターに恋をしたら
「今日休み?」

「ああ、丁度通りかかったから松本いるかと思って寄ってみた」

「ふ~ん、暇なの?」

「…まあ、な。綺麗だな」

「ん?」

「花束」

「でしょ?今日結婚式を挙げる方のブーケなの」

ブーケを褒められてあたしはご満悦。
リボンを結んで完成したブーケの香りを嗅いでにっこり笑った。

「…なあ、この後休み取れない?少し俺に付き合ってよ」

「え?ダメだよ。このブーケ届けに行かないといけないし、先に会場に行って花をセットしてるお父さんの手伝いもしなきゃいけないし」

「俺もついていく。手伝うからちょっとだけ時間作ってよ」

「え~~~~?」

何でそこまでして?と聞いても暇だから、と言う大野はダメダメと言っても引き下がらない。
押し問答してるうちに時間が迫ってきたので仕方なく一緒に会場のあるホテルに行くことにした。
行ったら意外と男手が欲しかったようで大野はお父さんにこき使われ、あたしは既に会場入りしてる新婦様の元へ。
「ありがとう!とっても素敵!」と完成したブーケを見て大喜びの竹原様にホッとして、どうぞお幸せにと声を掛けて後にした。
会場の設置を手伝う大野のところに行くとほぼ出来上がっててあたしの出る幕はなかった。

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