王子なドクターに恋をしたら
……

「いよいよ明日だね」

「うん、千雪に逢えるのが待ち遠しいよ」

とうとう明日和泉くんが来る。
待ちに待った日が来るというのに、あたしはテンションが低かった。
でも、和泉くんに悟られないように明るく言った。

「早く和泉くんに会いたいな。一週間くらいはいれるんでしょ?その間どこに泊まるの?」

「うん、近くのホテルを予約してるよ。叔父には家に泊まればって言われてたけど、そしたら千雪と二人っきりになれないから、ね」

「う…ふふ、楽しみだな」

意味ありげに言われて思わず照れてしまった。
和泉くんはこっちに来たら先に叔父の用事を済ませるとかで逢うのは夜になった。
いつものあの展望台で逢う約束をして電話を切った。

「はあ~、逢いたいなあ和泉くん…」

早く明日にならないかとうずうずしてるのに、あたしは額に手をやり項垂れた。
朝からなんだか頭が重だるい。のどもちょっとイガイガする。
これはもしかしなくても風邪を引いてしまったらしい。

原因はやっぱり海に落ちたせいだろうか?
夏だから大丈夫と油断したのがいけなかった。
このまま和泉くんと逢って風邪をうつしてしまったら大変だ。
お医者様の和泉くんが風邪を引いたら仕事にまで影響してしまうかもしれない。

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