終わらない恋を、キミと。
4 シスコン、動く

side.saku

「たっ、ただいま…」

「結香っ…!!」

結香の可愛く控え目な声が玄関から聞こえて、俺とあや姉は、一目散に玄関に向かった。

と、そこには頬をピンクに染めてモジモジしている結香がいた。

ああ、俺の結香は今日も可愛い。
なんて、シスコン全開の俺が結香を見てときめいていると結香は下を向き、何故かローファーじゃなくて上履きを履いていて、それを脱ごうとかがむ。

そこで俺とあや姉はとんでもないものを目にする。

下を向いた結香の艶やかな髪がサラリと重力に沿って肩から流れた時、その首もとに出来た『アザ』が見えて、俺達は真っ青な顔のまま絶句した。

「…?ふたりとも、どうしたの?」

「ゆ…っ!く…っ!あ…っ!(結香、首に痣がっ!!)」

「?」

上手く口から言葉が出ずにわなわなと震えている俺達に対して、結香はポヤンとしながら首を傾(かし)げる。

いや、超絶可愛いんだけどもね!!

「ゆっ、ゆゆゆゆゆ結香ちゃん…?そ、その首の痣は、な、なななな何、かなぁ…?」

あや姉がなんとか声を振り絞り、結香に尋(たず)ねた。

「…へ?痣?」

なんの事?と更に首を傾げる結香に、更にあや姉。

「か、かかか鏡っ…!見て…みよう…かぁ」

泣きそうになっているのか、声が震えているじゃないか…!!

俺も泣きそうだけども!!

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