終わらない恋を、キミと。
「…もし、結香を『モノ』に置き換えなくてはいけないとしたら、俺にとって結香は『宝物』だ。一生手離したくない、大事にしたいたったひとつの『宝物』なんだ」
「っ!」
『宝物』『一生』『大事』
そんなワードのひとつひとつに顔がカァッと熱を持ち、心臓がドクドクと速く跳ねる。
「結香…」
甘く切ない声に反射的に顔を上げると、まるで愛しいものを見ているような表情の碧が居て。
その整い過ぎている顔が少しずつ近づいてきて…。
今度こそ、キス、される。
覚悟を決めた時、ブーッブーッと、制服のポケットに入っているスマホが震えて。
「あ。あや姉かな?…っ!?」
目線を碧から逸らした瞬間、抱き寄せられ。
ふわりと、唇と唇が重なった。