終わらない恋を、キミと。
だが、俺は男だ。高校球児だ。
昔から泣くのは甲子園で優勝したときだけ!と、心に決めている。
なのに、隣でわんわんと泣くあや姉を見て俺の目も自然と潤む。
「…うっ……」
ついに我慢の限界が来た。ダメだ、泣く!!
カチャ…パタンッ。
そんな俺の限界突破を阻止してくれたのは、2階のドアが開き、静かに閉まる音。
程なくして、トトト…ッと私服に着替えた結香が降りてきて、俺達を見るなり、
「わっ!どっ、どうしたの?2人とも。あ、あや姉、なんでそんなに泣いてるのっ…?」
可愛いクリクリの目を更に見開いてビックリしている。
「ゆっ、結香っ!ああぁぁぁ結香ぁぁあーっ!」
あや姉はもう手が付けられないぐらい取り乱して号泣していた。
「あ、あや姉っ、しっかりして!取り敢えず落ち着いて…!朔、説明して!これはいったいーー」
何事なのーー?
あや姉号泣の原因でしかない結香は、何事かとおろおろとするばかり。
俺は歯を食い縛り、途中何回も泣きそうになりながら理由を説明したーー。