お見合いは未経験
「石窯ピザと手打ちパスタ、ワンプレートのランチと、ハワイ料理、てのもあったかな、あと、渋いところでは蕎麦、とか。何がいい?」
「ワンプレートって、何ですか?」
「日替わりだけどね、ひとつのお皿にサラダとか、メインのおかずとか、あと、2、3品乗っていたかな。洋食系だよ。」

「美味しそう…」
「じゃ、そこにしようか。」

「結婚式の準備、やっぱり大変なんでしょうか…」
    
真奈は少しだけ不安げだ。

彼女に負担はかけたくない、と思う。
本当に、極力守りたいから。

「一緒に、やろう。一人では無理だよ。」
「頼りにしてます。」

真奈がうふふっと、笑って髪を耳にかける。
今すぐ、抱きしめたい。

最初、馴れない子猫が少しずつ馴れて来たような感覚かもしれない。

警戒して部屋の端からこちらを見ていたのが、最近は膝上に乗ってくるようになったとか、そんな感じだろうか…。
膝上に乗ってきたら、撫でずにはいられないだろう。

店に着いたら、天気がいいのでテラス席ではいかがですか、と聞かれた。
テラス席、とは言っても大きなシェードの下なので、直射日光を浴びることはなさそうだが。
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